KAB-studio > 風雅、舞い > 第十一章 AP (7)
風雅、舞い - 第十一章 AP (7)
 一直線上に並ぶ通路。左右には各部屋のドアが並ぶ。
「ねぇ、あれ……」
 上から見下ろす監視カメラ。
「それぞれの部屋には付いてないから」
 恭子が安堵の息をつく。
「カードに書いてある番号の下3桁が自分の部屋です。全室個室、部屋の構造は同じですから」
 少年が止まり、4人は番号を見て部屋に入る。
「へぇ……」
 中はホテルの一室のように綺麗で広い。一番奥には窓が付いていて、開けることはできないが外を一望できた。
「っていってもビルしか見えないし……」
「ここには皆さんのようなゲストの他に、左さんをはじめ多くのスタッフが宿泊していますから、それ相応の設備は整えてあります」
「朝ごはんはバイキングかなにか!?」
「食事は10階の社員食堂かコンビニで」
「あー……」
「ホントだね、同じだ」
 恭子が舞の部屋を見に来る。入れ違いに部屋を出て、少年に訊く。
「君やリシュネもこういうところにいるの?」
 リシュネの部屋を訊こうと思ったのだが。
「僕らAPは、メンテナンスのための専用ハンガーがあるから」
「ハンガー?」
「……服を掛けるハンガーじゃありません。まぁ、この部屋のようにくつろぐためのパーソナルスペースはありますが、入室を許可してくれるかは……あとで確認してみます」
 リシュネと左はいいと言うに決まってるけど。
「荷物を置いたら、来てください。左さんがお待ちしてます」
 検索