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風雅、舞い - 第十二章 超越する存在 (5)
「……トーナメントの勝ち抜き戦?」
 ホワイトボードにトーナメントの図を書く。
「たとえば」
 下に「朴」「結白」「リシュネ」「君」と名前を書く。
「このふたりで戦ってもらう」
 「朴」と「結白」、「リシュネ」と「君」をペンで指す。
「買ったら勝ち上がり、そして一番強い人を決めてもらう」
「それに何の意味があるんです?」
 少年の棘のある質問。
「面白いから」
「……」
「というのは目的の3分の1。あと、みんなのリーダーを決めてもらうのも3分の1」
「リーダー?」
「一応、みんなでグループで動いてもらいたいからね。相手も組織だってくるだろうし、他の泉に行く時にも集団行動になるんだし」
「質問!」
「泉の話はあと」
「……じゃあ、残りの3分の1の目的は?」
「それはこのトーナメントが終わったら説明します」
 智子が「また悪い癖が……」といった感じに溜息をつく。
「ルールは、反則なし、何をしてもOKのガチンコ勝負。場所は南の方の無人島を使います」
「あそこか……」
「二人とも行ったことあるの?」
 舞の問にリシュネはうなずく。
「実戦としての強さを計るためです。ちょっと結白君には不利なルールだけどね」
「ちょっとそうかも……」
「でもハンデはなし」
「はい、当然だとは思います」
「でもやる気は出してもらいたいので、賞金を用意しました」
「!」
 舞は思わず乗り出した。
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