「真空……」
リシュネを、真空が包む。水槍はその空間に突き刺さった瞬間霧散し、水分はその外へ追いやられる。
舞はその中のリシュネを視認する。肌が切り裂け、その表情は鬼の形相。真空をAPとしての身体能力だけで乗り切ろうとしていた。
「……なら貫くだけ!!」
外を巡る水分を一箇所に集中させようとしたその時、リシュネは急降下する。
「っ!」
そしてそれは木々の中に隠れてしまう。真空に巻き込まれた森が、何かに租借されるように音を立てて瓦解していく。そして。
「……」
場所が、分からない。
真空となっている空間の大きさが、とてつもなく広くなっている。
水の力で形を読むが、その形もすでに球形ではなくなっている。この中のどこにリシュネがいるのか、把握することは不可能だった。
どうする?
無理矢理にでも攻撃して崩す?
視認できる距離まで近づく?
守りに入って時間を稼ぐ?
あの状態はダメージが大きいはず、なら持久戦に持ち込んだ方がいい。
水榴を身にまとい、真空となっている領域を把握しつつ後退する。
「!!」
突然の衝撃波。
地を奔る2本の縦波。視認を自覚した直後は既に目の前、両手をかざし全ての水榴で楯を作り受け止める。
声にならない声と共に舞の体が弾け飛ぶ。木々の中を鳥のように舞う中で、水から得た情報は、おおよその射撃位置を把握していた。
「発破」
真空空間の中央、その地面が突然吹き上がり、形を崩す。宙に吹き上げられたリシュネを、水の槍は射抜いた。
ホーンが鳴り、勝敗が決したことを告げた。
リシュネを、真空が包む。水槍はその空間に突き刺さった瞬間霧散し、水分はその外へ追いやられる。
舞はその中のリシュネを視認する。肌が切り裂け、その表情は鬼の形相。真空をAPとしての身体能力だけで乗り切ろうとしていた。
「……なら貫くだけ!!」
外を巡る水分を一箇所に集中させようとしたその時、リシュネは急降下する。
「っ!」
そしてそれは木々の中に隠れてしまう。真空に巻き込まれた森が、何かに租借されるように音を立てて瓦解していく。そして。
「……」
場所が、分からない。
真空となっている空間の大きさが、とてつもなく広くなっている。
水の力で形を読むが、その形もすでに球形ではなくなっている。この中のどこにリシュネがいるのか、把握することは不可能だった。
どうする?
無理矢理にでも攻撃して崩す?
視認できる距離まで近づく?
守りに入って時間を稼ぐ?
あの状態はダメージが大きいはず、なら持久戦に持ち込んだ方がいい。
水榴を身にまとい、真空となっている領域を把握しつつ後退する。
「!!」
突然の衝撃波。
地を奔る2本の縦波。視認を自覚した直後は既に目の前、両手をかざし全ての水榴で楯を作り受け止める。
声にならない声と共に舞の体が弾け飛ぶ。木々の中を鳥のように舞う中で、水から得た情報は、おおよその射撃位置を把握していた。
「発破」
真空空間の中央、その地面が突然吹き上がり、形を崩す。宙に吹き上げられたリシュネを、水の槍は射抜いた。
ホーンが鳴り、勝敗が決したことを告げた。