「お前は、人を殺したことがあるか」
「……」
雅樹が一歩進む。
少年が一歩下がる。
「質問を変えよう」
雅樹が嫌らしく笑う。
「お前は、自分の膀胱を見たことがあるか?」
「?……」
「膀胱だ、膀胱」
雅樹が自分の下腹部を指さす。
「お前、APなんだろ? 死なないんだろ? なら、ナイフで腹かっさばいて、内臓くらい見たことあるだろ」
「……」
ない。
考えたことも、ない。
考えることすら、できない。
「な、何を言って……」
「ある日なー、食いもんがなくて、すんげー腹減ってて、そしたら包丁があって、思い付いちまったんだよ」
「……」
「さくっと開いてな、血溜りの中膜割いて、引き出すんだ。釣られてアレとかも引っ込むんだぜ?」
「……」
「それをスライスするんだ。あぶると結構いけるんだよ。焼酎と合うんだ」
「……ちっ、黙れよ!」
少年は下がるのを止めて、止まり、雅樹へと跳ぶ。
「っ」
その足を、止める。
刀が、目に入った。
ただそれだけのこと。
それが。
少年に、想像を、させて、しまい、
「そうだ、そこで待っていろ。今お前にも食わせてやるから」
「っっ」
少年が一歩下がる。
「白炎」
白い風が少年を包み、宙に浮いたと思った瞬間。
「え」
その腹部を、刀が、斬り刺していた。
「ごか〜いちょ〜」
雅樹は、舌なめずりをした。
「……」
雅樹が一歩進む。
少年が一歩下がる。
「質問を変えよう」
雅樹が嫌らしく笑う。
「お前は、自分の膀胱を見たことがあるか?」
「?……」
「膀胱だ、膀胱」
雅樹が自分の下腹部を指さす。
「お前、APなんだろ? 死なないんだろ? なら、ナイフで腹かっさばいて、内臓くらい見たことあるだろ」
「……」
ない。
考えたことも、ない。
考えることすら、できない。
「な、何を言って……」
「ある日なー、食いもんがなくて、すんげー腹減ってて、そしたら包丁があって、思い付いちまったんだよ」
「……」
「さくっと開いてな、血溜りの中膜割いて、引き出すんだ。釣られてアレとかも引っ込むんだぜ?」
「……」
「それをスライスするんだ。あぶると結構いけるんだよ。焼酎と合うんだ」
「……ちっ、黙れよ!」
少年は下がるのを止めて、止まり、雅樹へと跳ぶ。
「っ」
その足を、止める。
刀が、目に入った。
ただそれだけのこと。
それが。
少年に、想像を、させて、しまい、
「そうだ、そこで待っていろ。今お前にも食わせてやるから」
「っっ」
少年が一歩下がる。
「白炎」
白い風が少年を包み、宙に浮いたと思った瞬間。
「え」
その腹部を、刀が、斬り刺していた。
「ごか〜いちょ〜」
雅樹は、舌なめずりをした。