「へぇ」
雅樹は、感嘆した。
巨木のてっぺんに立ち、炎が森を焼く様を眺めていた。その炎の上空、黒い煙の中に黒い雲が生まれ、螺旋の水霧が吹き降ろされ、地面の火を消し飛ばした。
「やっぱり、中間は便利だな」
中間。
雅樹は、炎を操る。それは、気体のひとつ上、イオン化されたプラズマ。
その上は存在しない。かろうじて、その下の属性、風をかろうじて操ることができるのみ。
舞は、水。液体。
液体の属性は、隣の気体も、固体も、操作が可能。
「応用力は敵わないか……」
雅樹の足下が揺れる。水槍が木の根本を削りきり、倒れていく。
雅樹は木の枝を跳ねる。その背を水槍が掠める。
木の枝を伝いながら、雅樹は考える。
「殺せる……のか?」
殺せない。
殺す気で攻撃することは、できない。
でも。
「しなきゃ……な」
そうでなきゃ、これから先、本当にやっていけるのかどうかわからない。
刀を、左肘に当て、引く。
腕が、落ちる。
「死灰石炎」
その腕が灰色の粉に包まれ、飛び散る。
「!?」
舞はそれに気付く。
……ヤバい。
「水壁!」
水の壁を、その「何か」が迫る位置に作る。何かが、水壁に沿って回り込もうとする。
通る側から、草木が腐っていく。
「……毒……」
ホントによくやるわ。
雅樹は、感嘆した。
巨木のてっぺんに立ち、炎が森を焼く様を眺めていた。その炎の上空、黒い煙の中に黒い雲が生まれ、螺旋の水霧が吹き降ろされ、地面の火を消し飛ばした。
「やっぱり、中間は便利だな」
中間。
雅樹は、炎を操る。それは、気体のひとつ上、イオン化されたプラズマ。
その上は存在しない。かろうじて、その下の属性、風をかろうじて操ることができるのみ。
舞は、水。液体。
液体の属性は、隣の気体も、固体も、操作が可能。
「応用力は敵わないか……」
雅樹の足下が揺れる。水槍が木の根本を削りきり、倒れていく。
雅樹は木の枝を跳ねる。その背を水槍が掠める。
木の枝を伝いながら、雅樹は考える。
「殺せる……のか?」
殺せない。
殺す気で攻撃することは、できない。
でも。
「しなきゃ……な」
そうでなきゃ、これから先、本当にやっていけるのかどうかわからない。
刀を、左肘に当て、引く。
腕が、落ちる。
「死灰石炎」
その腕が灰色の粉に包まれ、飛び散る。
「!?」
舞はそれに気付く。
……ヤバい。
「水壁!」
水の壁を、その「何か」が迫る位置に作る。何かが、水壁に沿って回り込もうとする。
通る側から、草木が腐っていく。
「……毒……」
ホントによくやるわ。