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風雅、舞い - 第十二章 超越する存在 (28)
 第5試合:朴雅樹vsリシュネ。
「棄権」
 リシュネは手を挙げた。
「って、なんでよーっ!!」
 舞の怒りもリシュネはけろっと答える。
「勝てないの分かってるし、無駄なことしたくないもの」
「でも!」
「じゃ、俺の全勝ってことで」
「あ”ーっ!! くっそー」
 舞はがっくりとする。
「百万が、百万が……」
「ああ、じゃあ次、あいつに買ったら百万やる」
「ええっ!?」
 目を輝かせて舞は振り向く。
「別に俺いらねーし、それに」
「え……なによそれ、私負けるっていうの?」
「ま、やってみろ」
 第6試合:少年vs結白舞。
「でもさ」
 リシュネは彼に勝ってるし、そのリシュネに私は勝ってる。
「ジャンケンで言えば私は彼に……あれ?」
 ジャングルの端でそんなことを考えている間に、ホーンが鳴る。
「っと、集中集中。あの広範囲攻撃が……へ?」
 水蒸気は、教えてくれる。
 森の全てを。
 その森が、悲鳴を上げた。
「っ!!」
 森の半分が、吼えた。
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