「嘘……だよね」
舞は、目の前のカプセルに付けられた名札を見て、目を疑った。
そこには「木村俊雄」と書かれていた。
「木村……君?」
「今はまだ起こせないから、もう2時間ほど待って」
聞いたことのない声を聞いて、舞は振り向く。視線の先には、リシュネを想像させる金色の髪の少女がいた。
「誰、あなた」
フィオは眉間に皺を寄せる。舞の声音は、殺意を含んでいた。
「私はフィオ・アッツェ。臨時の研究員です。俊雄はAP化への強い希望を持っていたので、その処置を施すことになりました」
「な、何勝手なことを」
「文句は俊雄本人に言ってください、2時間待てば覚醒できますから。それに」
フィオはカプセルに近付き、スイッチを入れる。
「別にこれは準備段階ですから、AP化をキャンセルすることも可能です」
カプセルのカバーが開く。中には、確かに俊雄が、全裸で浮いていた。
「!!」
思わず舞は顔を背ける。
「……そういう歳でもないでしょ。それとも見慣れてないの?」
見慣れていない。
だって、つい二週間前に雅樹のを見たくらいだし……。
そう、二週間前。
あの日の朝、雅樹の姿は消え、自分も何とか理由を付けて誰もいない碧き泉に逃げて、気持ちの整理が付いた昨日、このファインダウト社に戻ってきたばかりだった。
俊雄の姿がなかったからてっきり諦めたのだと思っていた。
なのに。
「いない間になんだか大変なことになってたのね……」
「そーね、あなたは自分の立場をもっと自覚すべきだわ、結白舞」
その大きなバレッタを付けた少女を、殴りつけたい気分だった。
舞は、目の前のカプセルに付けられた名札を見て、目を疑った。
そこには「木村俊雄」と書かれていた。
「木村……君?」
「今はまだ起こせないから、もう2時間ほど待って」
聞いたことのない声を聞いて、舞は振り向く。視線の先には、リシュネを想像させる金色の髪の少女がいた。
「誰、あなた」
フィオは眉間に皺を寄せる。舞の声音は、殺意を含んでいた。
「私はフィオ・アッツェ。臨時の研究員です。俊雄はAP化への強い希望を持っていたので、その処置を施すことになりました」
「な、何勝手なことを」
「文句は俊雄本人に言ってください、2時間待てば覚醒できますから。それに」
フィオはカプセルに近付き、スイッチを入れる。
「別にこれは準備段階ですから、AP化をキャンセルすることも可能です」
カプセルのカバーが開く。中には、確かに俊雄が、全裸で浮いていた。
「!!」
思わず舞は顔を背ける。
「……そういう歳でもないでしょ。それとも見慣れてないの?」
見慣れていない。
だって、つい二週間前に雅樹のを見たくらいだし……。
そう、二週間前。
あの日の朝、雅樹の姿は消え、自分も何とか理由を付けて誰もいない碧き泉に逃げて、気持ちの整理が付いた昨日、このファインダウト社に戻ってきたばかりだった。
俊雄の姿がなかったからてっきり諦めたのだと思っていた。
なのに。
「いない間になんだか大変なことになってたのね……」
「そーね、あなたは自分の立場をもっと自覚すべきだわ、結白舞」
その大きなバレッタを付けた少女を、殴りつけたい気分だった。