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風雅、舞い - 第十六章 崩壊 (5)
「赤炎、二投」
 雅樹の頭上に赤い炎が二つ点る。
「橙炎、八投」
 さらにその上に、橙色の炎が八つ点る。
 両手には、蒼い炎。目の前には、白装束を纏った死神。口元には、笑み。
「いくぞ」
「どうぞ」
 瞬時に橙炎が弾け飛ぶ。遥はカウンターを跳ね上がり空へと逃れ、直後爆発が起こる。
 破片が飛び散る中、空中の遥へ雅樹が飛ぶ。右手を振りかぶればそれは青白く鋭い刃へと変化した。
 蒼炎の刃を、遥へと振り抜こう、とする瞬間、それを躱そうと、遥の体が反り、それを見て。
「白炎!」
 雅樹を白い炎が包み込み、直角の軌跡を描いて遥の背後へと回り込む。
「ははっ!!」
 満面の笑みを浮かべる遥の背後に舞う雅樹。胴を凪ぐよう右腕を、振り抜いた。
 刃が遥の右腕に当たり、その右腕と刃が消し飛ぶ。
「!?」
 同時に遥の右足が雅樹の胸板を蹴り飛ばす。雅樹は路面に面したフレームに直撃し、金属製のフレームを歪ませる。
 嗚咽と共に雅樹は見上げ、同時に赤炎が遥へと向かう。遥は天井を蹴り飛ばし、飛来した二つの赤炎を躱す、その瞬間爆発し、遥を吹き飛ばした。
「っ」
「死ね!」
 雅樹は左手を突き出し、解放する。
 店内は、蒼い光を放って、消滅した。
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