「魔法勝負……ですか?」
気乗りしない声だった。
「別に戦うわけじゃないよ、たとえば……」
近くにある水道と清掃道具を指さす。
「あのバケツに水を張って、どっちがしっかり凍らせられるか、とか」
「それが証明になるんですか?」
「魔法の『現象』を記録してデータベースと照合すれば出自がわかるから」
「なるほど、そうすれば身の潔白が証明されるというわけですね。わかりました、やりましょう」
「というわけで錦さん、手伝って欲しいんだけど」
「断る」
「魔法のテストにあたるからHACからお金出るけど、それ彼の宿泊費に充てない?」
『どのファイル開けばいい?』
「早!」
「んじゃ私も」
ジャージが装甲多脚に乗り込む。シーバリウは装甲多脚から距離を取って、杖を構える。
…………………………。
『紫恋、神主、水くんできて』
「なんであたしが!」
「くんできたぞ」
「父さん手際良すぎ!」
神主がバケツふたつを置く。両方とも水がたっぷり入っている。
「……凍ったら割れるだろう。その時は弁償してもらうということでいいのかな」
『はいはい、それは私が出すから』
「ありがとうございます」
と言うシーバリウの目は真剣そのもの。その瞳はバケツから離れない。瞬きすらしない。
「……では、始め!」
神主の声に応えて、シーバリウの杖が上がる。
『創主が一人ゴナツの威を借りシーバリウが言霊として、発動せよアガルビナッツィオ!!』
呪文と共にバケツのまわりを光線が囲み、一瞬後に音を立ててバケツが割れる。中には完全な氷柱。
『すご!!』
スピーカーから聞こえる声、ジャージのもの。
「すごい……」
感嘆、うめのもの。
「……」
紫恋、神主、錦は、驚嘆に言葉も出ない。
気乗りしない声だった。
「別に戦うわけじゃないよ、たとえば……」
近くにある水道と清掃道具を指さす。
「あのバケツに水を張って、どっちがしっかり凍らせられるか、とか」
「それが証明になるんですか?」
「魔法の『現象』を記録してデータベースと照合すれば出自がわかるから」
「なるほど、そうすれば身の潔白が証明されるというわけですね。わかりました、やりましょう」
「というわけで錦さん、手伝って欲しいんだけど」
「断る」
「魔法のテストにあたるからHACからお金出るけど、それ彼の宿泊費に充てない?」
『どのファイル開けばいい?』
「早!」
「んじゃ私も」
ジャージが装甲多脚に乗り込む。シーバリウは装甲多脚から距離を取って、杖を構える。
…………………………。
『紫恋、神主、水くんできて』
「なんであたしが!」
「くんできたぞ」
「父さん手際良すぎ!」
神主がバケツふたつを置く。両方とも水がたっぷり入っている。
「……凍ったら割れるだろう。その時は弁償してもらうということでいいのかな」
『はいはい、それは私が出すから』
「ありがとうございます」
と言うシーバリウの目は真剣そのもの。その瞳はバケツから離れない。瞬きすらしない。
「……では、始め!」
神主の声に応えて、シーバリウの杖が上がる。
『創主が一人ゴナツの威を借りシーバリウが言霊として、発動せよアガルビナッツィオ!!』
呪文と共にバケツのまわりを光線が囲み、一瞬後に音を立ててバケツが割れる。中には完全な氷柱。
『すご!!』
スピーカーから聞こえる声、ジャージのもの。
「すごい……」
感嘆、うめのもの。
「……」
紫恋、神主、錦は、驚嘆に言葉も出ない。