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Machician - 第3話 三者三様 (15)
「あ、なるほど! じゃあこういうことなのかな」
 ぱーっとノートに公式を使った別の式を書く。
「これをこうして……こんな感じ?」
 その式を自分で解いてみる。
「そういうこと。あんた飲み込み早いねー」
「あはは、そうです?」
 照れるうめ
「それにしても、私とよくため口きけるよね」
「え”」
 あせるうめ
「…………気にしてました?」
「あ、別にいいんだけど、王子はちゃんと敬語使うから」
「あれは素だし」
「そうか素か」
「私、どうしても敬語って苦手なんですよねー。お客さんにもこういうふうに話しちゃって、よくママに怒られちゃうし」
 ああ。
「そっか、旅館やっているから大人に慣れてるのか」
「それもあるかもしれないけど……ジャージさんって、そんなに年上って感じしないかな」
「ええっ!?」
 それは、ジャージ自身が意外に感じた。
ジャージさんって言動がおじさんくさい」
「ほっとけ」
「それにそのゴーグルだからそう見えるのかもしれないけど、私から見たらちょっとおねえさんくらいかな。背格好私と同じくらいだし」
「そっか……」
「ねぇ、そのゴーグル取ったとこ見せてくんない?」
「それはだめ」
「えー!?」
 そうだった。
 このゴーグルも、この小豆ジャージも、この言動も、目的があった事を忘れてた。
 ――人から、拒絶されること。
 人から好かれないために。
 でも。
「いつか見せてくださいね」
 屈託なく笑ううめに、それは成功してないようだった。
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