「そういえば、あんたにも成功してないよね……」
「え?」
午前中だけ、という制限付きで日曜の朝に借りたシーバリウが問い返す。ガレージ向かいにある河原は、川の冷たさが伝わってくるような寒さを感じる。
ちなみにうめは睡眠中。
「なんでもない。えっと、これやってもらえる?」
シーバリウにノートを渡す。ノートを見て、次に無造作に置かれた段ボールや人形を見て、そしてビデオカメラを構えるジャージを見る。
「できる?」
「はい、それは問題ないのですが……」
シーバリウはビデオカメラを注視する。有機メモリアレイ保存型の小型ムービーカメラ。モニターの類はなく、ジャージのゴーグル内に映像が表示される。
「それはあとで見るための機械ですよね」
「あ、まずい? 録画は」
「うーん、どうなんでしょう」
「じゃ、問題あったらあとで消すってことで」
「はい、それなら構いません」
と、にっこりと笑う。
「……あんた、もう少し疑うってこと知りなさいよ」
「?」
「なんでもない。じゃ、お願い」
「はいっ!」
シーバリウが杖を片手にターゲットへと向き直り、目を閉じて杖を胸に当てる。
『創主が一人ゴナツの威をシーバリウが名の下に微かばかり借り受ける事を許したまえ』
目を見開き、
『ディルツィナッバ!』
人形が燃え上がり、
『アガルビナッツィオ!』
空き缶が氷柱に包まれ、
『フィルツィウォード!』
段ボールが吹き飛ぶ。
「ひゃぁ……」
ジャージは感嘆し、シーバリウは照れた。
「え?」
午前中だけ、という制限付きで日曜の朝に借りたシーバリウが問い返す。ガレージ向かいにある河原は、川の冷たさが伝わってくるような寒さを感じる。
ちなみにうめは睡眠中。
「なんでもない。えっと、これやってもらえる?」
シーバリウにノートを渡す。ノートを見て、次に無造作に置かれた段ボールや人形を見て、そしてビデオカメラを構えるジャージを見る。
「できる?」
「はい、それは問題ないのですが……」
シーバリウはビデオカメラを注視する。有機メモリアレイ保存型の小型ムービーカメラ。モニターの類はなく、ジャージのゴーグル内に映像が表示される。
「それはあとで見るための機械ですよね」
「あ、まずい? 録画は」
「うーん、どうなんでしょう」
「じゃ、問題あったらあとで消すってことで」
「はい、それなら構いません」
と、にっこりと笑う。
「……あんた、もう少し疑うってこと知りなさいよ」
「?」
「なんでもない。じゃ、お願い」
「はいっ!」
シーバリウが杖を片手にターゲットへと向き直り、目を閉じて杖を胸に当てる。
『創主が一人ゴナツの威をシーバリウが名の下に微かばかり借り受ける事を許したまえ』
目を見開き、
『ディルツィナッバ!』
人形が燃え上がり、
『アガルビナッツィオ!』
空き缶が氷柱に包まれ、
『フィルツィウォード!』
段ボールが吹き飛ぶ。
「ひゃぁ……」
ジャージは感嘆し、シーバリウは照れた。