「お待たせしました」
「うわ」
「?」
そう声を上げたのはジャージ。声を上げたことに、紫恋もシーバリウも首を傾げる。
「どうされました?」
シーバリウは白装束に袴という、一昔前の出で立ち。仮想大賞かというほどの姿だが、元々浴衣姿の多い場所のため違和感が少ないうえに、シーバリウの背の高さが白と黒のコントラストを際だたせている。
「高士のでしょ、それ」
「はい、以前見掛けた時にいつか着たいと思いまして、少々無理を言いました」
「似合ってると思うけど……そんなに変?」
紫恋がジャージに訊く。ジャージの顔は、まだ心配顔。
「ううん、服じゃなくて顔が……御神輿、そんなに大変だった?」
「え? そうですか?」
シーバリウは自分の顔をぺたぺたと撫でる。紫恋がよく見ると、確かに少しやつれてるようにも見える。
「もう回復しましたから、大丈夫ですよ」
「そうは見えないんだけど……まぁ本人がそう言ってるなら仕方ないか」
「良く気付いたわね、そのゴーグルってそういう機能あるの?」
「……普通気付かない?」
「鏡を見た時には大丈夫だと思ったのですが……」
シーバリウは苦笑いする。
「そういえば、うめさんは?」
「着付けに手間取ってるんでしょ。毎年私が手伝ってるんだけど、今年は一人でがんばるって」
「はこねさんは?」
「ママさんとパパさんはそこ」
指さすと、屋台のひとつで山田夫妻がせわしなく動いている。
「へ? 屋台やるの??」
「鉄板ひとつ借りてそこでピザとか照り焼きとか作るの。毎年好評よー?」
「風情も何もないわね……」
「何言ってるの。ここの半分くらいはそんな屋台よ」
ジャージが見渡すと、確かに、「屋台」と呼べる屋台は半分くらい、残り半分は移動販売車で、スペイン料理やらブラジル料理やら、かなり異色な食べ物を売っていた。
「これって屋台村とか展示場なんかのじゃない……」
「こういうところに頼んだ方が問題ないし、何より古くさいままじゃ若い人呼べないから。手伝ってて知らなかったの?」
「屋台関係は任せちゃったから。昨日の夜中はこういう車来なかったし……」
「え? これが普通ではないのですか?」
「最近はともかく、一昔前じゃちょっと考えられないわね」
「お待たせー!」
石段側からの声に3人は振り向く。ピンク色の浴衣に身を包んだうめが駆けてくる。
「うわ」
「?」
そう声を上げたのはジャージ。声を上げたことに、紫恋もシーバリウも首を傾げる。
「どうされました?」
シーバリウは白装束に袴という、一昔前の出で立ち。仮想大賞かというほどの姿だが、元々浴衣姿の多い場所のため違和感が少ないうえに、シーバリウの背の高さが白と黒のコントラストを際だたせている。
「高士のでしょ、それ」
「はい、以前見掛けた時にいつか着たいと思いまして、少々無理を言いました」
「似合ってると思うけど……そんなに変?」
紫恋がジャージに訊く。ジャージの顔は、まだ心配顔。
「ううん、服じゃなくて顔が……御神輿、そんなに大変だった?」
「え? そうですか?」
シーバリウは自分の顔をぺたぺたと撫でる。紫恋がよく見ると、確かに少しやつれてるようにも見える。
「もう回復しましたから、大丈夫ですよ」
「そうは見えないんだけど……まぁ本人がそう言ってるなら仕方ないか」
「良く気付いたわね、そのゴーグルってそういう機能あるの?」
「……普通気付かない?」
「鏡を見た時には大丈夫だと思ったのですが……」
シーバリウは苦笑いする。
「そういえば、うめさんは?」
「着付けに手間取ってるんでしょ。毎年私が手伝ってるんだけど、今年は一人でがんばるって」
「はこねさんは?」
「ママさんとパパさんはそこ」
指さすと、屋台のひとつで山田夫妻がせわしなく動いている。
「へ? 屋台やるの??」
「鉄板ひとつ借りてそこでピザとか照り焼きとか作るの。毎年好評よー?」
「風情も何もないわね……」
「何言ってるの。ここの半分くらいはそんな屋台よ」
ジャージが見渡すと、確かに、「屋台」と呼べる屋台は半分くらい、残り半分は移動販売車で、スペイン料理やらブラジル料理やら、かなり異色な食べ物を売っていた。
「これって屋台村とか展示場なんかのじゃない……」
「こういうところに頼んだ方が問題ないし、何より古くさいままじゃ若い人呼べないから。手伝ってて知らなかったの?」
「屋台関係は任せちゃったから。昨日の夜中はこういう車来なかったし……」
「え? これが普通ではないのですか?」
「最近はともかく、一昔前じゃちょっと考えられないわね」
「お待たせー!」
石段側からの声に3人は振り向く。ピンク色の浴衣に身を包んだうめが駆けてくる。