「……」
シーバリウは、憮然としていた。
「いいじゃない、もらえたんだから」
シーバリウの手には水風船。「残念賞」としてもらえるものだった。
「だからです。まるで負けたにも関わらず施しを受けるようで、納得できません」
「じゃあ、今度はこれ行く?」
それは屋台の定番、射的。
「へー、銃なんですか」
「空気でコルクを飛ばして、あの景品を落とせたらもらえるの」
景品はお菓子からおもちゃ、置物まで様々。
「うめは何が欲しい?」
「んー、あの人形がいいな」
それは小さなクマの人形で、立たされていたため当たれば確実に取れそうだった。
その的を見つつ銃を受け取る。金属製の銃身、木製のストックが本格的で、重量もかなりある。トリガーの上に小さなマガジンが取り付けられている。
「弾は5発入ってるから」
「んー……」
屋台のおじさんの説明を聞き流しつつ、できるだけ体を乗り出して、片手で構えて、撃つ。
当たらない。
「あ!」
続けてトリガーを引く。だが、その度に銃身がぶれて当たらない。
「ちゃんと構えないと当たらないんじゃない?」
という紫恋の忠告も聞かず、5発全部撃ち尽くす。
「あー……」
「だから言ったじゃない」
「え? 何か言った?」
「……」
その姿を、シーバリウは後ろからじっと見ていた。
「どう、わかった? なんなら私が先に撃とうか?」
「いえ、大丈夫です」
うめと入れ替わり、シーバリウが立つ。
「! 王子、仇は取って!」
「わかりました!」
うめから銃を受け取り、マガジンを取り替える。そして構え、トリガーを引く。
弾丸は、人形の隣のキャラメルに当たる。
「あ」
と、まわりが声を出す前に発射された次の一撃が、クマの顔面にクリーンヒットし、ものの見事に倒した。
「!!」
「おー!」
「へぇ」
シーバリウの笑顔は、満足そうだった。
シーバリウは、憮然としていた。
「いいじゃない、もらえたんだから」
シーバリウの手には水風船。「残念賞」としてもらえるものだった。
「だからです。まるで負けたにも関わらず施しを受けるようで、納得できません」
「じゃあ、今度はこれ行く?」
それは屋台の定番、射的。
「へー、銃なんですか」
「空気でコルクを飛ばして、あの景品を落とせたらもらえるの」
景品はお菓子からおもちゃ、置物まで様々。
「うめは何が欲しい?」
「んー、あの人形がいいな」
それは小さなクマの人形で、立たされていたため当たれば確実に取れそうだった。
その的を見つつ銃を受け取る。金属製の銃身、木製のストックが本格的で、重量もかなりある。トリガーの上に小さなマガジンが取り付けられている。
「弾は5発入ってるから」
「んー……」
屋台のおじさんの説明を聞き流しつつ、できるだけ体を乗り出して、片手で構えて、撃つ。
当たらない。
「あ!」
続けてトリガーを引く。だが、その度に銃身がぶれて当たらない。
「ちゃんと構えないと当たらないんじゃない?」
という紫恋の忠告も聞かず、5発全部撃ち尽くす。
「あー……」
「だから言ったじゃない」
「え? 何か言った?」
「……」
その姿を、シーバリウは後ろからじっと見ていた。
「どう、わかった? なんなら私が先に撃とうか?」
「いえ、大丈夫です」
うめと入れ替わり、シーバリウが立つ。
「! 王子、仇は取って!」
「わかりました!」
うめから銃を受け取り、マガジンを取り替える。そして構え、トリガーを引く。
弾丸は、人形の隣のキャラメルに当たる。
「あ」
と、まわりが声を出す前に発射された次の一撃が、クマの顔面にクリーンヒットし、ものの見事に倒した。
「!!」
「おー!」
「へぇ」
シーバリウの笑顔は、満足そうだった。