「じゃ、それくわえていてね」
女医がカプセルに器具を入れ、シーバリウが口にくわえる。
その間にカプセルの液体が抜かれていく。そういった作業を女医と看護師数人がしているのを、ジャージは後ろから見守っていた。
病室に高い音が響き、ジャージが振り向く。病室の入口で紫恋が顔を青ざめさせ、缶ジュースを落としていた。
「!! 何、何かあったの!?」
「起きたよシーバリウ」
「え?」
ジャージに冷静に言われて、おそるおそる人だかりの方へと覗き込む。女医と看護師の間から何かを口えているシーバリウの姿が見え、そのシーバリウがにっこりと笑い手を振る。
「……しーばりぅぅ」
紫恋はその場にへたり込み。ひっくひっくと泣き始めていた。
「あ、あ、うめに教えなきゃ……」
泣きつつも冷静に携帯を取り出す。
「じゃあ肺の中の液体を抜くわね。ちょっと変な感じかもしれないけど、1分で終わるから」
機器が音を立て始めると、シーバリウが苦笑いをする。
「えーっと、フィアンセさん?」
嫌味な笑みを浮かべて女医が声を掛ける。
3秒後。
「ちょっと、ジャージ!」
「……へ? あ、はい」
「さしつかえなければ、彼の体を拭いてあげて欲しいんだけど」
「………………えええええっ!?」
思いっきり顔を赤らめて、ジャージは戸惑う。
ってゆーか、覗けば見えそうじゃない! もうカプセルから出ようとしてるし。
「あ、じゃあ私拭きます」
「ちょっとそれはまずいでしょ!」
「何が?」
「うっ」
「大丈夫です、自分で拭けますから」
と、シーバリウははっきりとした声で答えた。
「……」
ふたりは直前までの会話は忘れて、そのシーバリウの声に感動していた。そして。
「……うん」
泣き顔の笑顔で、うなずいた。
女医がカプセルに器具を入れ、シーバリウが口にくわえる。
その間にカプセルの液体が抜かれていく。そういった作業を女医と看護師数人がしているのを、ジャージは後ろから見守っていた。
病室に高い音が響き、ジャージが振り向く。病室の入口で紫恋が顔を青ざめさせ、缶ジュースを落としていた。
「!! 何、何かあったの!?」
「起きたよシーバリウ」
「え?」
ジャージに冷静に言われて、おそるおそる人だかりの方へと覗き込む。女医と看護師の間から何かを口えているシーバリウの姿が見え、そのシーバリウがにっこりと笑い手を振る。
「……しーばりぅぅ」
紫恋はその場にへたり込み。ひっくひっくと泣き始めていた。
「あ、あ、うめに教えなきゃ……」
泣きつつも冷静に携帯を取り出す。
「じゃあ肺の中の液体を抜くわね。ちょっと変な感じかもしれないけど、1分で終わるから」
機器が音を立て始めると、シーバリウが苦笑いをする。
「えーっと、フィアンセさん?」
嫌味な笑みを浮かべて女医が声を掛ける。
3秒後。
「ちょっと、ジャージ!」
「……へ? あ、はい」
「さしつかえなければ、彼の体を拭いてあげて欲しいんだけど」
「………………えええええっ!?」
思いっきり顔を赤らめて、ジャージは戸惑う。
ってゆーか、覗けば見えそうじゃない! もうカプセルから出ようとしてるし。
「あ、じゃあ私拭きます」
「ちょっとそれはまずいでしょ!」
「何が?」
「うっ」
「大丈夫です、自分で拭けますから」
と、シーバリウははっきりとした声で答えた。
「……」
ふたりは直前までの会話は忘れて、そのシーバリウの声に感動していた。そして。
「……うん」
泣き顔の笑顔で、うなずいた。