次の日。
「え、もう退院なの!?」
右足にギプスを填めたうめが、シーバリウの隣で驚いていた。
その個室に、二人きりだった。
「もう魔法力は戻りましたし、元々肉体的なダメージはありませんでしたから」
「そんなに急いで大丈夫なの? ゆっくり治療しなくても」
「もう大丈夫です」
「本当に?」
「ええ!」
シーバリウは、にっこりと笑む。
「ん、良かった……」
うめもうなずく。
「うめさんの方は」
「これ?」
足を上げてギプスを見せる。
「来週だって。AP化を前提とした治療をして、そのあと少しずつAP化させるんだって。だから完全なAP化は先だけど、足は来週治るから」
「それは良かったです」
「うん」
病室を風が抜ける。もう8月もお盆を過ぎ、まだまだ暑さは抜けていなかったが、それでも少しずつ秋のにおいが感じ取れる季節になっていた。
「……うめさん」
「とりあえず、チャラにしよっか」
シーバリウが顔を上げる。
「私もね、ちょっと気持ち、わからなくなっちゃった」
「気持ち?」
「シーバリウのことを想う気持ち。好きな気持ちはね」
手を胸に当てて。
「変わらないと思う。でも、なんだろう、雑音なのかな、クリアな気持ちじゃなくなっちゃって……だから」
泣きそうな苦笑いで。
「ちょっと待っててもらっても、いい?」
もう、残りの時間がわずかだとわかっていても。
「ええ」
シーバリウは、うなずいた。
「え、もう退院なの!?」
右足にギプスを填めたうめが、シーバリウの隣で驚いていた。
その個室に、二人きりだった。
「もう魔法力は戻りましたし、元々肉体的なダメージはありませんでしたから」
「そんなに急いで大丈夫なの? ゆっくり治療しなくても」
「もう大丈夫です」
「本当に?」
「ええ!」
シーバリウは、にっこりと笑む。
「ん、良かった……」
うめもうなずく。
「うめさんの方は」
「これ?」
足を上げてギプスを見せる。
「来週だって。AP化を前提とした治療をして、そのあと少しずつAP化させるんだって。だから完全なAP化は先だけど、足は来週治るから」
「それは良かったです」
「うん」
病室を風が抜ける。もう8月もお盆を過ぎ、まだまだ暑さは抜けていなかったが、それでも少しずつ秋のにおいが感じ取れる季節になっていた。
「……うめさん」
「とりあえず、チャラにしよっか」
シーバリウが顔を上げる。
「私もね、ちょっと気持ち、わからなくなっちゃった」
「気持ち?」
「シーバリウのことを想う気持ち。好きな気持ちはね」
手を胸に当てて。
「変わらないと思う。でも、なんだろう、雑音なのかな、クリアな気持ちじゃなくなっちゃって……だから」
泣きそうな苦笑いで。
「ちょっと待っててもらっても、いい?」
もう、残りの時間がわずかだとわかっていても。
「ええ」
シーバリウは、うなずいた。