「ちょっとうめー、手伝ってよー」
「無茶ゆーな。嘘ついたバツだよー」
紫恋が料理の乗った大皿を運ぶ。旅館山田屋のキッチンで作られた料理が、紫恋によってテーブルへと運ばれる。慣れていない紫恋には意外な重労働だった。
「何が被害者だの加害者だの、結局前と同じなんじゃない。退院祝いもしてくれるんだし」
「だって聞いてなかったもん」
うめは椅子でただ座っているだけだったが、愚痴り続けていた。
「つかなんであんた不機嫌なのよ、ただ座ってるだけなのに」
「ただ座ってるだけだから。私もこれがなけりゃ手伝ってるもん」
右足のギプスで床を叩く。
「ちょっ、うめ、そんなことしちゃ駄目でしょ!」
うめの母、はこねが青ざめる。
「全然平気、よくわからないけど外界から遮蔽してるんだって」
「だからって……」
「大丈夫だって!」
心配顔の母親を松葉杖で追い返して、またふてくされる。
好きなように動けないことがこんなに面倒だなんて、知らなかったな……。
「おじゃまします」
神主の声が聞こえ、待逢一家とシーバリウが入ってくる。
「あ、紫恋さん、僕も手伝います」
「って、一応あんたの退院祝いなんだから。主賓が手伝うんじゃないの」
シーバリウのおでこを突いて、うめの方へと押し返す。
「僕のだったんですか? うめさんのだとてっきり」
「それもあるんじゃないかなー。ねー王子、強化魔法掛けてよ、自由に歩きたい」
「そんな足では転びますよ。大丈夫、ごはんは僕が取ってあげますから」
「じゃあ食べさせてもくれる?」
「いいですよ」
にっこりと素直に言うシーバリウ。
「う、今はその笑顔がまぶしい……」
「おじゃまします」
「あ、ジャージ君」
入ってきたジャージを神主が引き留め、シーバリウの方へと連れて行く。
「どうしたの?」
「先に、相談しておきたいことがあるんです」
ジャージとうめは「?」という顔をしていたが、神主とシーバリウの表情は、堅かった。
「無茶ゆーな。嘘ついたバツだよー」
紫恋が料理の乗った大皿を運ぶ。旅館山田屋のキッチンで作られた料理が、紫恋によってテーブルへと運ばれる。慣れていない紫恋には意外な重労働だった。
「何が被害者だの加害者だの、結局前と同じなんじゃない。退院祝いもしてくれるんだし」
「だって聞いてなかったもん」
うめは椅子でただ座っているだけだったが、愚痴り続けていた。
「つかなんであんた不機嫌なのよ、ただ座ってるだけなのに」
「ただ座ってるだけだから。私もこれがなけりゃ手伝ってるもん」
右足のギプスで床を叩く。
「ちょっ、うめ、そんなことしちゃ駄目でしょ!」
うめの母、はこねが青ざめる。
「全然平気、よくわからないけど外界から遮蔽してるんだって」
「だからって……」
「大丈夫だって!」
心配顔の母親を松葉杖で追い返して、またふてくされる。
好きなように動けないことがこんなに面倒だなんて、知らなかったな……。
「おじゃまします」
神主の声が聞こえ、待逢一家とシーバリウが入ってくる。
「あ、紫恋さん、僕も手伝います」
「って、一応あんたの退院祝いなんだから。主賓が手伝うんじゃないの」
シーバリウのおでこを突いて、うめの方へと押し返す。
「僕のだったんですか? うめさんのだとてっきり」
「それもあるんじゃないかなー。ねー王子、強化魔法掛けてよ、自由に歩きたい」
「そんな足では転びますよ。大丈夫、ごはんは僕が取ってあげますから」
「じゃあ食べさせてもくれる?」
「いいですよ」
にっこりと素直に言うシーバリウ。
「う、今はその笑顔がまぶしい……」
「おじゃまします」
「あ、ジャージ君」
入ってきたジャージを神主が引き留め、シーバリウの方へと連れて行く。
「どうしたの?」
「先に、相談しておきたいことがあるんです」
ジャージとうめは「?」という顔をしていたが、神主とシーバリウの表情は、堅かった。