「調停委員会、って……」
HAC・調停委員会。
正義の味方とすら言われる、神のような存在。
だが。
目の前の存在は、とても正義の味方には見えなかった。
「時間がない。手短に説明する」
ウィルゴと名乗った男は両手をかざし、その間に闇が生まれる。
中央に映る石人、その周りに立つワース。
「見えるか」
映像の一部、石人の足下が拡大される。
「棒……?」
「まさか……」
そのシーバリウの声は、震えている。
「20分後に封印が強制解放される」
「ちょ、それって」
「周囲5キロは消し飛ぶ」
冷静なウィルゴの説明に、誰もが息を飲む。
「……でも、それじゃ、あいつら自滅する気なの?」
紫恋が震える手で指さす。
「そうだ。あの兵隊達は使い捨てだ」
「使い捨て、って……」
「解放後、核のみを回収して逃亡、それが目的だ。JCTHUに通報しても間に合わない」
「じゃあHACに……って」
そのHACが目の前にいた。
「残念ながら、我々調停委員会は現在手が空いていない」
「え……」
全員が絶句する。
正義の味方が、手が空いてないって……。
「私もただの人工知能だ。本体は別の業務に就いている」
「でも」
と、ジャージ。
「調停委員会は今まで一人も人死にを出していない。ということは、何らかの方策があるってことなんでしょ?」
ふふ、とウィルゴは笑む。
「別に、ここにいる全員が死んでしまえば、私がここにいた証拠は残らない。違うかね?」
「……」
ジャージは、何も言えなかった。
HAC・調停委員会。
正義の味方とすら言われる、神のような存在。
だが。
目の前の存在は、とても正義の味方には見えなかった。
「時間がない。手短に説明する」
ウィルゴと名乗った男は両手をかざし、その間に闇が生まれる。
中央に映る石人、その周りに立つワース。
「見えるか」
映像の一部、石人の足下が拡大される。
「棒……?」
「まさか……」
そのシーバリウの声は、震えている。
「20分後に封印が強制解放される」
「ちょ、それって」
「周囲5キロは消し飛ぶ」
冷静なウィルゴの説明に、誰もが息を飲む。
「……でも、それじゃ、あいつら自滅する気なの?」
紫恋が震える手で指さす。
「そうだ。あの兵隊達は使い捨てだ」
「使い捨て、って……」
「解放後、核のみを回収して逃亡、それが目的だ。JCTHUに通報しても間に合わない」
「じゃあHACに……って」
そのHACが目の前にいた。
「残念ながら、我々調停委員会は現在手が空いていない」
「え……」
全員が絶句する。
正義の味方が、手が空いてないって……。
「私もただの人工知能だ。本体は別の業務に就いている」
「でも」
と、ジャージ。
「調停委員会は今まで一人も人死にを出していない。ということは、何らかの方策があるってことなんでしょ?」
ふふ、とウィルゴは笑む。
「別に、ここにいる全員が死んでしまえば、私がここにいた証拠は残らない。違うかね?」
「……」
ジャージは、何も言えなかった。