「……いてくれたんだ」
と言いながら、ジャージは微笑んだ。
診察室の前で座っていたシーバリウは、目を丸くしていた。
「……大丈夫ですか?」
夜11時過ぎ。
診察を出てきたジャージは、甲冑のように巨大な保護具に動体が包まれていた。それは白く、両肩を完全に覆い、ウェスト近くまであり、そして右腕だけが出ていた。
「大丈夫大丈夫。うめ達は帰った?」
「ええ、錦さんに迎えに来て頂きました」
「あんたも帰って良かったのに」
「そうはいきませんよ」
シーバリウはにっこりと笑う。
「腕、どうなんですか?」
「んー、それ、バスの中でゆっくり説明するわ」
「バスもうないみたいですよ?」
「げ、電車か、終電間に合うかな……お」
「うわ……きれいですね」
医務区画を抜け外に出ると、満点の星空の下、虹色に煌めく半球がそこかしこにあった。
開け広げられたオープンスペースの長屋、その開いた側面を多い包むように、青を中心とした虹色に煌めくフィルムが張られていた。それは薄いシートのように見えたが、風に揺れることはなかった。
「なるほど、これなら防犯も問題ありませんね」
「これ、きっと裏から見ると透けてるよ」
「え、本当ですか!?」
「テクタイトっていう、光偏向素材で作られているはずだから。でもこれ、強度はそれほどないだろうから普通の町中では難しいかも」
そう言う間にも、エアレールから光る粒子を吹き出して警官が飛んでいく。暗闇で、それがみね達かどうかは分からない」
「そういえば、そっちは大丈夫だったの?」
「ええ、特に何もありませんでした。紫恋さんのバッグも戻ってきましたし、何か訊かれるということもありませんでした」
「ってゆーか、あの人達なんかすっごく適当っぽいよね。本当に仕事してるのかな」
「ははは……」
と言いながら、ジャージは微笑んだ。
診察室の前で座っていたシーバリウは、目を丸くしていた。
「……大丈夫ですか?」
夜11時過ぎ。
診察を出てきたジャージは、甲冑のように巨大な保護具に動体が包まれていた。それは白く、両肩を完全に覆い、ウェスト近くまであり、そして右腕だけが出ていた。
「大丈夫大丈夫。うめ達は帰った?」
「ええ、錦さんに迎えに来て頂きました」
「あんたも帰って良かったのに」
「そうはいきませんよ」
シーバリウはにっこりと笑う。
「腕、どうなんですか?」
「んー、それ、バスの中でゆっくり説明するわ」
「バスもうないみたいですよ?」
「げ、電車か、終電間に合うかな……お」
「うわ……きれいですね」
医務区画を抜け外に出ると、満点の星空の下、虹色に煌めく半球がそこかしこにあった。
開け広げられたオープンスペースの長屋、その開いた側面を多い包むように、青を中心とした虹色に煌めくフィルムが張られていた。それは薄いシートのように見えたが、風に揺れることはなかった。
「なるほど、これなら防犯も問題ありませんね」
「これ、きっと裏から見ると透けてるよ」
「え、本当ですか!?」
「テクタイトっていう、光偏向素材で作られているはずだから。でもこれ、強度はそれほどないだろうから普通の町中では難しいかも」
そう言う間にも、エアレールから光る粒子を吹き出して警官が飛んでいく。暗闇で、それがみね達かどうかは分からない」
「そういえば、そっちは大丈夫だったの?」
「ええ、特に何もありませんでした。紫恋さんのバッグも戻ってきましたし、何か訊かれるということもありませんでした」
「ってゆーか、あの人達なんかすっごく適当っぽいよね。本当に仕事してるのかな」
「ははは……」