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1.1 とりあえずクラスを作ってみよう

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更新日: 2008/03/31
動作確認環境:Windows XP Professional SP2, Java SE 5

 この章では、シンプルなクラスを作ってみて、クラスとインスタンス、そして参照の関係について説明していきます。
 この3つが実はとても重要なので、この章の内容についてはしっかり理解しましょう。ここが分かれば全体の半分以上理解できたようなものです。

とりあえずクラスを作ろう

 まずは、シンプルなクラスを作ってみて、そこから「クラスってどんなもの?」ということを見ていきましょう。

// SimpleClassRunner.java

/**
 * フィールド1つだけ持つシンプルなクラス。
 */
class SimpleClass
{
    // int型変数のフィールドdataを用意します。
    int data;
}

/**
 * 実行用クラス。このクラスを実行してください。
 */
class SimpleClassRunner
{
    public static void main( String[] args )
    {
        // SimpleClassクラスの参照型変数refを作ります。
        SimpleClass ref;

        // SimpleClassクラスのインスタンスを作り、
        // その参照をref変数に入れます。
        ref = new SimpleClass();

        // ref変数内の参照を通して、SimpleClassクラスの
        // インスタンスに入っているdataフィールドに
        // 数値を入れます。
        ref.data = 100;

        // 今度はそれを取り出して出力します。
        System.out.println( ref.data );
        // 出力結果:
        // 100
    }
}
// SimpleClassRunner.java
/**
 * フィールド1つだけ持つシンプルなクラス。
 */
class SimpleClass
{
	// int型変数のフィールドdataを用意します。
	int data;
}
/**
 * 実行用クラス。このクラスを実行してください。
 */
class SimpleClassRunner
{
	public static void main( String[] args )
	{
		// SimpleClassクラスの参照型変数refを作ります。
		SimpleClass ref;
		// SimpleClassクラスのインスタンスを作り、
		// その参照をref変数に入れます。
		ref = new SimpleClass();
		// ref変数内の参照を通して、SimpleClassクラスの
		// インスタンスに入っているdataフィールドに
		// 数値を入れます。
		ref.data = 100;
		// 今度はそれを取り出して出力します。
		System.out.println( ref.data );
		// 出力結果:
		// 100
	}
}

 「SimpleClassRunner.java」という名前でソースファイルを作り、このプログラムを貼り付けてコンパイルして、SimpleClassRunnerクラスを実行してください。「100」という数字が出力されればOKです。

 まず、このプログラムには2つのクラス(SimpleClassクラスとSimpleClassRunnerクラス)が書かれていますが、説明で使用する「シンプルなクラス」というのは「SimpleClassクラス」の方です。プログラムの以下の箇所になります。

/**
 * フィールド1つだけ持つシンプルなクラス。
 */
class SimpleClass
{
    // int型変数のフィールドdataを用意します。
    int data;
}
/**
 * フィールド1つだけ持つシンプルなクラス。
 */
class SimpleClass
{
	// int型変数のフィールドdataを用意します。
	int data;
}

 SimpleClassRunnerクラスは「そのクラスを使う側」なので、今はクラスとは考えないでください(この関係については「4.5 main()メソッドと「実行するクラス」」で説明します)。

 SimpleClassの構造は下図のようになっています。

 「class」キーワードの右側にある「SimpleClass」が、クラスの名前です。クラスを使う時には、この名前を指定します。
 その次の中カッコの中(「{」と「}」の間)が、クラスの中身になります。この中に「このクラスはどういうクラスなのか」ということを書きます。
 この中身に、この例では「フィールド」というものを1つ作ってあります。
 フィールドというのは「クラスの中に作る変数」です。基本的には普通の変数と同じです。ここではint型の変数dataを用意していますので、この「dataフィールド」という変数の中に「100」といった整数値を入れることができます。

まだ「存在しない」!

 ただ、この段階ではまだこのdataフィールドは存在しません
 クラスというのは、このように書いただけでは「実体が存在しない」のです。
 次のページでは、その実体の作り方、クラスの使い方について見ていきましょう。

1.1 とりあえずクラスを作ってみよう
このページは、Java言語を用いたオブジェクト指向プログラミングのチュートリアル解説を行う「Javaのオブジェクト指向入門」の一ページです。
詳しい説明は「Javaのオブジェクト指向入門」目次をご覧ください。