パス

あるファイルを、ディレクトリも含めて記した文字列。
「ファイルパス」とも言う。
　
"dir01/dir02/file.txt"のような形式で記述された文字列のこと。この場合は「file.txtというファイルが、dir01ディレクトリ下のdir02ディレクトリ内に置かれている」ことを示す。つまり「基準となるディレクトリから、どういう経路をたどればそのファイルに行き着けるか」を示したものが「パス」である。

「基準となるディレクトリ」には、特定のディレクトリや、全てのディレクトリの大元である「ルート」がある。特定のディレクトリからの経路を示したパスを「相対パス」、ルートからの経路を示したパスを「絶対パス」と呼ぶ。
また、パスの「ファイルとディレクトリを分ける文字」を「ファイル区切り文字」と呼び、「/」と「\」がある。前者は主にUNIX系、後者はWindows系で使用される。
　
プログラム中で特定のファイルを指定する場合には、主にFileクラスを使用する。その際にはコンストラクタに文字列として渡す。
また、特定のファイルに対して入出力を行う場合にはストリームを使用する。
相対パスと絶対パス、どちらも渡すことができる。
　
一般的に、ファイル名だけの文字列を「パス」とは呼ばない。"Sample.java"と書かれた文字列は「Sample.javaのパス」とは呼ばず「Sample.javaのファイル名」と呼ぶ。
ただし「ここではファイルのパスを指定してください」と書かれている場合には、ファイル名単独で記入しても問題ない。
　
ちなみに一般的な意味での「パス」（pass）は「通過する」という意味であり、別の英単語である。

(KAB-studioからのおしらせです)

// Sample.java
import java.io.File;

public class Sample
{
    public static void main( String[] args )
    {
        // 以下のディレクトリでjavaコマンドを実行したとします。
        // ・Windowsの場合
        // D:\Sample\test
        // ・UNIX系の場合
        // /Sample/test

        // カレントディレクトリの絶対パスを取得します。
        String currentPath = System.getProperty( "user.dir" );
        System.out.println( currentPath );
        // ・Windowsでの実行結果
        // D:\Sample\test
        // ・UNIX系での実行結果
        // /Sample/test

        // これは、カレントディレクトリの絶対パスです。
        // 「ルートからカレントディレクトリへの経路」ということです。

        // カレントディレクトリにあるsrcディレクトリ内のSample.java
        // を相対パスで指定します。
        //                      ↓       ～    ↓ この文字列が「パス」です。
        File sample = new File( "src/Sample.java" );
        // このファイルの絶対パスを取得します。
        System.out.println( sample.getAbsolutePath() );
        // ・Windowsの場合
        // D:\Sample\test\src\Sample.java
        // ・UNIX系の場合
        // /Sample/test/src/Sample.java

        // このように、"src/Sample.java"は「カレントディレクトリから
        // srcディレクトリ内のSample.javaファイル」への経路を示す
        // パスということになります。
    }
}