ハードディスク等の記憶装置に置かれた、データの集合。
　
プログラムで使用される情報は、メモリ上に置かれている。だが、メモリは、Javaアプリケーションの実行が終了してしまうことで消えてしまう。
それを回避するため、ハードディスクやUSBメモリ等、消えることのない「記憶装置」へとデータをコピーしたものが「ファイル」である。
　
ファイルは名前を持つ。ディレクトリに置かれ、同じディレクトリの中に同じファイル名のファイルを複数置くことはできない。
また、ファイル名中の「.」以降の文字列を「拡張子」と呼ぶ。「file.txt」の場合、「.txt」が拡張子となる。拡張子はファイルの形式を示したものである。ただし、単なるファイル名の一部であるため、必ずしもファイルの形式を正しく表しているとは限らない。
　
ファイルの構造はメモリと似ており、バイト単位で読み取り及び書き込みを行う。ファイルは「単なる場所」であるため、データの挿入や削除は行えない。常に上書きである。
ファイルの終端にはEOFがある。ファイルの拡張に特別な手続きは必要ない。
書き込まれたデータが文字列形式のものを「テキストファイル」と言う。また、それ以外の形式のファイルを「バイナリーファイル」と言う。
　
ファイル名の長さや大文字小文字の区別、セキュリティの設定等は、ファイルが置かれた記憶装置のルールである「ファイルシステム」に依存する。
また、ファイルの形式はファイルの内容や使用するOS等に依存することも多い。テキストファイルの文字コードや改行文字がその例のひとつである。
　
ファイルをまとめて「グループ分け」するものを「ディレクトリ」という。
ディレクトリも一応ファイルの一種だが、通常はファイルとは別物として考える。
　
Javaの場合、ファイルそのものの操作はFileクラスを用いて行う。
ファイルのコピー、削除、名前の変更等はこのFileクラスを用いる。
ファイルへの書き込み及び読み取りは、ストリームクラスを用いて行う。

// Sample.java
import java.io.File;
import java.io.IOException;

public class Sample
{
    public static void main( String[] args )
    {
        try
        {
            // カレントディレクトリに空っぽのファイルを作ります。
            File file = new File( "file.txt" );
            file.createNewFile();
        }
        catch( IOException e )
        {
            // ファイルが作れなかったらこのIOException例外が投げられます。
            e.printStackTrace();
        }
    }
}